「AWS re:Invent 2023」を、日米拠点が「ワンチーム」で大きく成長する機会にしたい
ハッカー対策サービスを展開するグローバルセキュリティメーカー、株式会社サイバーセキュリティクラウド。世界各国からユーザー・パートナーが参加する「AWS re:Invent 2023(米国時間:2023年11月27日~12月1日)」にスポンサーとして初出展します。ラスベガスで開催されるAWS最大の年次カンファレンスで、複数のホテルで2,000以上のセッションが催されます。このカンファレンスへの出展の位置づけなどを、グローバル戦略部 部長 兼 米国拠点 COOの吉見に聞きました。
▼「AWS re:Invent 2023」出展のプレスリリースはこちら
https://www.cscloud.co.jp/news/press/202311096465/
グローバル戦略部 部長 兼 COO of Cyber Security Cloud USA
吉見 崇
大学卒業後に入社したパナソニックでは米国、ブラジル、オーストラリア等で家電のマーケティング、事業開発に携わる。スペインでMBA取得後デロイトコンサルティングに転職し、アメリカ及び東南アジアでの新規事業開発、海外でのオペレーション改革案件に従事。その後エクサウィザーズに転職し事業責任者として、AIを活用したロボット事業をリード。2023年2月にサイバーセキュリティクラウドにジョイン。
自社プロダクトのグローバル展開に携わるために、エクサウィザーズからサイバーセキュリティクラウドに転職
―2023年2月に、エクサウィザーズからサイバーセキュリティクラウドにジョインされましたが、そのときの経緯を教えてください。
前職ではAIを活用したロボットでの社会課題解決に取り組んでいました。サイバーセキュリティクラウドにジョインしたのは、グローバル事業の成長に携わることができるから。新卒で入社したパナソニック、またその後入社したデロイトでも、グローバルの事業開発に携わっていたのですが、あくまで先人が築き上げたハードウェアやコンサルでの仕事です。BtoBのソフトウェア領域において、「日本発・世界へ」が成功した会社はまだまだ少ないので、チャレンジしたいと思いました。
特にサイバーセキュリティ領域は、グローバルで市場が拡大を続けています。しかし、日本製のプロダクトシェアはそれほど高くありません。アメリカ製のプロダクトが大半を占めている中で、日本製の自社プロダクトで勝負できる環境も魅力に感じました。
海外売上比率を10%まで高める。舞い降りてきたチャンスが、「AWS re:Invent 2023」への出展
―現在は、グローバル戦略部 部長と、ロサンゼルスにある米国拠点のCOOを兼務しています。具体的にはどのような仕事をしていますか?
中期経営計画で「2025年度までに海外売上比率を10%に引き上げる」と掲げており、その実現のために日々奔走しています。ロサンゼルス拠点のメインミッションは、アメリカ市場の開拓です。『WafCharm』、『Cyber Security Cloud Managed Rules for AWS WAF』などの自社プロダクトを扱っているのですが、AWS社との連携を密にしながら新規顧客にアプローチしたり、その他の販売パートナーの折衝も推進中です。お客様への導入支援やその後のフォローも行っています。すでに大手企業や政府機関に導入いただいたケースも多数あります。
―アメリカ拠点を立ち上げたのは、2018年の9月です。まだまだ若い拠点ですが、現状の課題をどのように捉えていますか?
現地でセールスメンバーの採用・教育等も含めてチームを立ち上げたり、プロダクト説明資料を作成したり、CRMツール等を導入したりと、拠点としての体制整備を進めてきました。ただし、まだまだアメリカでの知名度が乏しいのが現状で、商談の打席にもっともっと立ちたいと思っています。どのターゲット顧客にどうやって売るのか。セールスやマーケティングの基本方針は見えてきたので、とにかく商談の数を増やしたい。そこで、舞い降りてきたチャンスが、「AWS re:Invent 2023」への出展なのです。
海外カンファレンスの実績をゼロから立ち上げる。過去には無かった責任感とやりがいを感じている
―「AWS re:Invent 2023」の出展については、どのような想いを持っていますか?
今後のグローバル展開において、非常に重要な意味を持っていると思います。まずは多くのお客様と対面で接する中で、自社製品の強みを直接伝えることができます。最先端のIT製品に興味を持つ来場者の方に、自社製品を体感してもらえることは、とても大きなメリットです。『WafCharm』やAWSのセキュリティを24時間365日フルマネージする新製品『CloudFastener』の機能はアメリカでもニーズはあると見ており、直接の声を聞く非常に良い機会になると思います。『WafCharm』はこれまで話したアメリカのお客様の反応でも価値を感じてもらっており、またValue for Moneyが重視されるアメリカで競争力のあるプライシングになっていると思いますので、カンファレンスでの接点を機に、多くのお客様への導入が一気に進む可能性があります。
そして、個人的にも「re:Invent」への参加は非常にワクワクしています。パナソニックに在籍していた24歳〜30歳のとき、CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー:ラスベガスで開催される世界最大級の電子機器の見本市)に毎年出展していて、その運営、ブース説明のために毎年1月はラスベガスに来ていました。やりがいはありましたが、先人がつくりあげた実績の上での仕事であり、自分でつくり出した機会ではありません。今回はゼロから立ち上げるプロジェクトで、会社の事業展開への影響も大きい。過去には無かった責任感とやりがいを感じていますね。
普遍的なニーズのあるプロダクトでアメリカ市場に刺さる訴求をやり切る
―「AWS re:Invent 2023」の会場で来場者との接点を取る際に、どのような点がポイントになりますか?
アメリカのSaaS企業や、インドなどアジア系の企業が、来場者とどのようにコンタクトをしているのか。海外のカンファレンスで観察して気づいたことがあります。それは、実際にプロダクトを見てもらうのが大事だということ。資料を紙で渡したとしても、なかなか見てくれません。スクリーンに映し出されているプロダクトの動きを見てもらえると、興味を持ってくれる人が多かった。会社やプロダクトの知名度がない外国企業でも様々な工夫をしてやれている会社もあり、我々も他企業からの学びを活かして取り組めればと思っています。
加えて、日本の営業やマーケが蓄積してきたベストプラクティスはCSCの米国攻略においても大きな資産だと考えています。一方で現地での慣習に合わせることも必要ですし、セキュリティやクラウドの技術はアメリカが先端を走っているのも事実です。CSCのプロダクトが持つ、国境を超えた市場での普遍的な価値をしっかりとチームで理解・共有し、ニーズに合わせた提案をできるかがカギになると感じています。
グローバル企業として次のステージに上がるには、社内の「ワンチーム化」は不可欠
―ロサンゼルスのスタッフは、どのようなモチベーションで準備を進めていますか?
「AWS re:Invent 2023」の先進性や華やかさは、現地のスタッフの方が肌で感じているので、非常にポジティブに捉えてくれています。日本のスタッフにアメリカの情報を提供しながら、会議でアイデアを出し合ったり、当日までのタスクを爆速で遂行しています。来場者に対して、直接自社のプロダクトをアピールできることを楽しみにしているスタッフが多いですね。「サイバーセキュリティクラウドの凄さを知ってもらえる!」「直接お話しして、新しいお客様とのリレーションをつくることができる!」とテンションが上がっています。
―「AWS re:Invent 2023」出展後の展開については、どのようにイメージしていますか?
ブースに来られたお客様には丁寧にコンタクトをし、お客様との接点を最大限活かすようにチーム一丸でフォローしていきます。また、出展した事実を日本や各国のお客様にも伝えて、自社ブランドの向上を図りたいと考えています。もちろん展示会運営のノウハウは、他地域でのカンファレンスにも展開していく予定です。
そして、個人的な思いとしてはre:Inventを社内のメンバーが日米混成の「ワンチーム」でやっていくキッカケにしたいです。日本のメンバーも、このカンファレンスでは様々なものが得られるはず。アメリカ拠点と協働することで、メンバー同士のつながりも深くなる。そして、世界各国の来場者からプロダクトへのフィードバックを受けることで、視野も大きく拡がるでしょう。サイバーセキュリティクラウドがグローバル企業として次のステージに上がるには「ワンチーム化」は不可欠だと思います。re:Inventはチームにとっても自分自身にとっても大きなカンファレンスでマイルストンになりますが、今後も続くグローバルでの成長への大きな一歩にできればと考えています。