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「AWS re:Invent 2023」の出展で、目標を大きく上回るリードを獲得。世界と戦える自信につながった。

世界各国からユーザー・パートナーが参加する「AWS re:Invent 2023」(米国時間:2023年11月27日~12月1日)にスポンサーとして初出展しました。ラスベガスで開催されるAWS最大の年次カンファレンスで、複数のホテルで2,000以上のセッションを実施。出展で得られた成果や今後の事業展開について、グローバル戦略部 部長 兼 米国拠点 COOの吉見に聞きました。

グローバル戦略部 部長 兼 COO of Cyber Security Cloud USA
吉見 崇

大学卒業後に入社したパナソニックでは米国、ブラジル、オーストラリア等で家電のマーケティング、事業開発に携わる。スペインでMBA取得後デロイトコンサルティングに転職し、アメリカ及び東南アジアでの新規事業開発、海外でのオペレーション改革案件に従事。その後エクサウィザーズに転職し事業責任者として、AIを活用したロボット事業をリード。2023年2月にサイバーセキュリティクラウドにジョイン。


「同じような製品はアメリカにはない。ユニークなのでもっと話を聞きたい」

―「AWS re:Invent 2023」に出展しましたが、会場の雰囲気はいかがでしたか?

アメリカらしい、大きなスケールのカンファレンスでした。私がパナソニック時代に出展したCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー:ラスベガスで開催される世界最大級の電子機器の見本市)とは、雰囲気が違いました。大規模なB2Bのイベントですが、カジュアルな雰囲気も漂っています。夕方からはビールが提供され色々なところでビール片手にビジネスの会話がされますし、夜は毎日ネットワーキングを目的としたパーティも開催されていました。世界中から熱量が高い人が集まって、新しい出会いが生まれる。独特のパワーを持ったイベントだと感じました。

CSCは、米国での知名度はまだまだ乏しいのですが、ブースには多くの方に訪れていただきました。「和」をテーマに掲げたデザインはユニークで目立っていたと思います。筆をモチーフにした装飾、特製の法被や着物を着たスタッフ、お箸のノベルティなどを珍しがってくれた方が多かった。ここまでコンセプトを振り切った展示が、どこまで海外の参加者に刺さるのか、事前には予想をすることは難しかったのですが、想像以上の反響でした。

講演枠でも自社のセキュリティプロダクト『WafCharm』をアピールできたと感じています。米国のセールスチームのリーダーにプレゼンテーションを任せたのですが、事前に綿密に準備を重ねたこともあり、大好評でした。私がブースで対応した際にも、多くのお客様から「あの講演は良かった!」「同じような製品がアメリカには無いから、ぜひ、話を聞かせてください!」と言われましたね。

プロダクトの「ほどよさ」が、予想以上に高い評価をいただいた

―『WafCharm』や『CloudFastener(クラウドファスナー)』のどのような強みが、グローバルのマーケットで支持をされたのでしょうか?

他社にないユニークなポジショニングを取っていることですね。WAF自体はどのユーザーも導入しているのですが、AWSが提唱するマネージドルールはカスタマイズや運用の観点で課題を感じるお客様も存在する。一方、多くの欧米のベンダーは手厚いセキュリティのソリューション、サービスを、高額で提供している。安くて物足りないか、高額で高機能か。その中間に位置する、ちょうど良いサービスがCSCのプロダクトなのです。

もちろんイベント前からこの強みは想定していましたが、参加者の皆さんから予想以上に高い評価をいただきました。「こんなセキュリティサービスがあるなんて知らなかった」「ぜひ、導入を検討したいです」といった反応を数多くいただいたのは嬉しかったですね。会場で他社のサービスをリサーチしましたが、確かに私たちのサービスは独特のポジションを築いていました。その強みを講演やブースでの実演で伝えることによって、多くのリードを獲得することができたのです。

5日間で、目標を大きく上回るリードを獲得

―どれくらいの見込み客を獲得できたのでしょうか?

5日間で数百件のリードを獲得できました。目標を大きく上回る数字です。全体の60%強がアメリカの企業で、ヨーロッパ、中南米、アジアの企業ともコンタクトを取れました。知名度が乏しい中で、ここまで興味を持ってもらえたのは大きな収穫でしたね。誰もが知っている米国の大企業の役職者もブースを訪れてくれて、高い評価をいただきました。エンタープライズへの導入検討も積極的に進めたいと思います。

また、多くの日本企業の方とも、コンタクトを取れました。1000名くらいの日本企業の担当者が来場したと聞いています。出展している日本企業は、私たちと1〜2社くらいでしたので、「日本の代表としても、頑張ってください!」と応援していただきました。今後のさらなる成長に向けて、勇気をもらえましたね。

AWSのエグゼクティブから、「欠かせないパートナー」と言葉を掛けられる

―吉見さん自身は、イベントでどのような活動をしていましたか?

もちろんブースでの営業活動も行いましたが、AWS、パートナー候補等と今後に向けた協議を対面でできる機会であったので、可能な限りアポを入れるようにしていました。たとえば、AWSのエグゼクティブ、セキュリティプロダクトやセールスの責任者とのミーティングに出席しました。それぞれの方から、re:Inventへの出展という着実な進展と、今後の成長への期待の言葉をかけられました。有難いという思いと、改めて身が引き締まる思いです。

さらにミーティングの後には、AWSの各国のメンバーがブースを訪ねてくれました。欧州、韓国、APACのメンバーとも交流を行う中で、フォローアップやトレーニングでの協業アイデアを議論できました。顔なじみになったので、様々な協業が生まれる可能性も十分にあると思います。

毎晩行われたネットワーキングパーティでは、AWSのパートナーセールスチームのマネージャーや、各国のユーザー企業の経営者とのつながりができました。ガバメントに強いセキュリティサービスを展開している、インドの会社の創業者とは、お互いのサービスの連携について熱いディスカッションを交わしました。Linked Inでつながって、イベント後もやり取りを続けています。

「リーズナブル」「無駄がない」と商談でアピールする

―イベント後にリード顧客に対して、どのようなアプローチを行っていますか?

自社のCRMをベースに、ブースの写真を添付したりと、大量に受け取るフォローメールの中で目立つよう工夫しながら、メール、電話、Linked Inで連絡をしています。商談はこれからです。イベント後の4週間が勝負だと思っています。アメリカはクリスマスと年末はスローになるのですが、チーム一丸で、熱いうちに打てるようにフォローしています。

より多くの受注につなげるために、フォローアップのオペレーションも同時並行で強化しています。アメリカだけではなく、アジアやヨーロッパの見込み顧客も多い。どのようにアプローチするのか、どのような商談を行うのか。国や地域ごとに求められるものが微妙に異なるので、アジャストできるような体制を整えています。

日本とアメリカのスタッフが、「ワンチーム」になるきっかけになった

―CSCメンバーの反応はいかがでしょうか?

「ワンチーム」になるきっかけをつくりたい。イベント前にはそう考えていましたが、兆しは見えています。アメリカと日本のチームが本格的に協働した初めてのプロジェクトですが、目標に向かって一体感を持って動けました。イベントの企画からはじまり、当日のオペレーション、イベント後のリード顧客へのアプローチまで、それぞれの強みが活かせたと感じています。アメリカのスタッフたちは、「日本のスタッフと同じ目線でイベントに臨めた」「日本からの助言は、アメリカでも役に立った。今後も密に協業したい」と喜んでいました。彼らの成長にもつながったと思います。

―最後に、今後の展開について聞かせてください。

怒濤のような5日間でした。海外での大規模カンファレンスの出展経験は、他の地域でも活かせると感じています。加えて「AWS re:Invent」で多くの参加者から支持してもらえたことで、グローバルでもやれるという手触りを得ることができました。言語の壁、商習慣の違いや物理的な距離等、グローバルビジネスの難しさはあり続けますが、プロダクトへの反応や日米でのチーム連携は大きな収穫だと思っています。今回の「AWS re:Invent」への出展が、CSCにとっても、関わったメンバーにとっても、大きな転機にできるように、まずはセールスとしての成果につなげていくことが、私に与えられた任務だと捉えています。